Gamvieno( ゜八゜)ノBlog
ヴァナ・ディールを仄かに暖める、髭が魅力のガンビーノが綴る物語・・・
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2005年 06月 02日
先住民族達の古墳が点在し、平原の中央部と周囲に山を配したバタリア丘陵は、
北と南に海岸線も持ち、南東に掛けられた大きな橋を渡れば、目指すべき ジュノ大公国へと続いている。ジャグナーのぬかるんだ足場が、黄緑色の固い大地に なったのを、コダチは踏み出す足の力強さで感謝していった。 ジャグナーに大量の湿気と雨をもたらしていた黒い雲は、山岳を越える際に水分を 絞られるようにして進み、バタリア丘陵の空に浮かぶ頃には、すっかり白く、軽くなって いるように見えた。丘陵の黄緑色の上の、くっきりとした雲の影を追いかけるように、 コダチ達はセルビナからの長旅を終わらせようと歩いていく。 エルヴァーンの狩人が、古墳の近くにはこの地で戦死した者の魂が澱んでいて、 毎夜不死者となって彷徨うのだと話している。コダチはそれを聞いて、仲間達に古墳に 近づくルートへは絶対行かないようにお願いした。仲間達はコダチの不死者嫌いを 知っていて、コダチをからかって笑いながら、快く承諾してくれた。 平原の中央部の山地を右手に見ながら南東へと進んでいくと、山際の丘に冒険者達が 使ったのであろう、焚き火跡があるのを見つけた。日が傾いてきたとは言え、まだ野営を する時刻には少し早かったが、セルビナで調達した保存食をここで食べてしまおうと、 ジュノ到着の記念にちょっとした前祝をすることにした。 ヒュームの白魔道士が、この日のためにと隠し持っていたワインを取り出して、仲間達に 勧めた。モンクと狩人のエルヴァーンが真っ赤な顔をして、肩を組み合ってデタラメな 鼻歌を歌っている。ミスラの黒魔道士は酔いが回って既に寝てしまった。コダチは、 気持ち悪くなってしまったと言うタルタルの赤魔道士を介抱しながら、焚き火の周りで 行われる些細な宴会を楽しんでいた。お酒を飲むのはサンドリアを出発して以来なので、 酔いが回るのが早くなっていた。出し合った保存食がほとんどなくなる頃には、すっかりと 夜は更けていた。 コダチは、白魔道士と一緒に火の番をしながら、明日のジュノ到着を満天の星空に 感謝した。 ■
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by gamvieno
| 2005-06-02 16:35
| 小説 『Road of Light』
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