Gamvieno( ゜八゜)ノBlog
ヴァナ・ディールを仄かに暖める、髭が魅力のガンビーノが綴る物語・・・
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2005年 05月 12日
○ Gamvienoのステータス (2007.4.16現在)
────────────────────────────────── 戦 士 38 モンク 19 白魔道士 75 黒魔道士 75 赤魔道士 16 シーフ 75 ナイト 75 暗黒騎士 20 狩 人 1 吟遊詩人 75 獣使い 16 竜騎士 18 召喚士 20 忍 者 75 侍 11 青魔道士 16 コルセア 20 からくり士 1 タイトル 『 髭は格好つけた→フレに笑いの効果 』 #
by gamvieno
| 2005-05-12 15:30
| Gamvienoステータス
2005年 05月 03日
「あ、ガンさん新しい盾を買ったんだね。」
そう声をかけられて、ガンビーノは振り向いた。クーニャンとチックリィのタルタルコンビが 寄ってきた。 「そっちは、目的の物が見つかったのか?」 「うん、いい両手棍が見つかったよ。新しい魔法書も買ってきたんだ。また、一生懸命研究 しなくちゃだけど。」 そういって、二人は微笑みあっている。ガンビーノは盾の裏についている革のベルトを 調節しては、盾を左手に持って振り回した。調節がうまくいったらしく、ガンビーノは腰を 上げて二人と歩き始めた。 集合場所と決めていた競売の近くの噴水には、同じように待ち合わせをする冒険者達が 数多くいる。 しばらくして、マサトとグラスアイがやってきた。また二人は言い争っている。いつもの 光景だが、どことなく楽しそうな表情を浮かべて歩いてくる。マサトは真新しい鎧の胸の 辺りを気にしている様子だ。 「お前が試すなんていって、短剣の柄でへこませるから、これを買う羽目になっちまった じゃねぇか。」 「いいじゃない、こっちのほうが頑丈そうだったんだし。それに、少しはかっこよく見える わよ。」 そういうと、その犯人であるナイフをクルクルと回して、特徴のある柄の感触を確かめて いた。 今までの装備品を下取りに出し、セルビナからの移動中に獲得した戦利品を売って、 新しい装備品を調達することにした。ヴァナ・ディール経済の中心地らしく、多くの物で 溢れている。さまざまな目的を持って集まる冒険者の、これまで見たことがないほどの 人数の多さに酔ってしまうほどだ。 道の両端には、いろいろな雑貨や武器・防具を売る行商人達がずらっと並んでいる。 また、美味しそうな匂いを立てている食べ物屋も簡易テントを広げていて、その前で暖かい 串焼きを買って食べている人々がいた。 お祭りのような賑わいを常に見せているこの町には、しばらく混乱させられそうだ。 ジュノ大公国。そこはヴァナ・ディールの2大陸を結ぶ地点に立てられている、巨大な 国家である。 大公が執務を行う最上階のルルデの庭、セルビナから入国する際に最初に訪れる ジュノ上層、競売や商店が軒を連ねるジュノ下層、そして飛空挺が発着するジュノ港と、 4層に区分けされた多層構造建築となっている。 上層からはバタリア丘陵、下層からはロランベリー高地、港からはソロムグ原野へと 繋がっており、各地へ繰り出す冒険者達がそれぞれの階層に集まっては、チョコボなどの 移動手段を利用して出かけていく。 各層によって、その目的が区別されているのも、この国の大きな特徴となっている。 それぞれ装備品などの整理をしていると、チックリィが、マクシィの姿を認めて声をかけて 手を振った。 マクシィはそれを見つけて、こちらへ近づいてくる。今までの楽器入れの袋とは違う、 新しい袋を背中に背負い、右手には地図らしき革の巻物を持っていた。 「ふう、やっと見つけた。この人の多さは殺人的だわ。あなた達じゃあ、もみくちゃにされ そうね。」 マクシィはそういうと、荷物を背中の荷物を大事そうに置いて、ふうっと一息ついた。 「新しい楽器と、クフィム島の地図を買ってきたわ。これで道の心配はなくなるわね。」 クフィム島は、ジュノ港から洞窟を抜けた先にある島だ。そこに生息する魔物達が比較的 戦い易い事から、冒険の初心者が多く訪れる場所になっている。不思議な遺跡も数多く 見られる場所だが、観光などという気軽な気持ちで赴く場所でもない。しかし、折角この 町に来たのだから、いろいろな場所を見て回りたい。 早速、6人は移動を始めた。マクシィが、酒場で仕入れたクフィム島の情報を話している。 クーニャンとチックリィは魔法書を読みながら人の間を通り抜けていく。マサトとグラスアイ は、新しい冒険が始まる事に、少し興奮している様子だ。ガンビーノも新しい装備を確かめ ながら歩いていく。 足音は雑踏に消されていく。しかし、冒険という新しいページをめくる音は、それぞれの 心に響いていた。 #
by gamvieno
| 2005-05-03 23:08
| 小説 『Freaks戦記』
2005年 05月 03日
ジュノまで後一日といったところで、日が暮れてきたため一行は野営をすることにした。
食事を終えて、それぞれが会話を楽しんだりしている中、マクシィは焚き火を見つめ ながら、今までの事を思い起こしていた。ウィンを出て仲間たちと出会い、目的地である ジュノにもうすぐ到着する。 マクシィは竪琴の包みについている袋から、数枚の紙切れを取り出した。これまでの 冒険で少しずつ書いてきた、新しい詩が書きとめられている。 それらを整理して、マクシィは竪琴を取り出してその詩を歌い始めた。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 花は語りかける。お前は太陽の光を浴び、胸を張って生きているのかと。 鮮やかな色、芳しい匂いには見せない、力強さを地面に隠しながら。 硬く乾いた大地の中に、生きる糧を探し求め、 雲間から指す光の中に、明日への希望を繋ぎ止めて。 そして使命を果たし、朽ちて土へと還っていく。 種子を運ぶ鳥たちに、新たな命をゆだねて眠る。 鳥はたずねる。お前は空気を一杯吸って、前を向いて生きているのかと。 美しい姿、綺麗な声には見せない、懸命さを翼に隠しながら。 寒く凍えた大気の中に、巣で待つ子らの餌を求め、 木々になる実を持ち帰り、明日への期待を募らせて。 やがて子供は巣立ち、老いて土へと還っていく。 子供たちが羽ばたく風に、新たな命を託して眠る。 風はささやく。お前は心を動かしながら、純粋に生きているのかと。 さわやかな温度、新鮮な匂いには見せない、繊細さを背中に隠しながら。 鋭く尖った岩山の中に、進む道を探し求め、 明るく広い平原の中に、明日への感動に胸躍らせて。 ふいに動くのを止め、大きな空に消えていく。 煌々と輝く月の光に、新たな命を渡して眠る。 月はほほえむ。お前は互いに助け合い、仲間を信じて生きているのかと。 淡い光、穏やかな表情には見せない、勇猛さを裏側に隠しながら。 暗く分厚い雲の中に、じっと過ぎ去るのを待ち、 瞬く星の光の中に、明日への信頼を確かめて ついに地平に沈みつつ、徐々に光を消していく。 種が根を張る肥沃な土に、新たな命を示して眠る。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 歌い終えると、仲間たちは拍手をしていた。感激屋のクーニャンは、涙を浮かべている。 まだ作ったばかりで音や台詞回しも不確かだったが、今まで歌った歌の反応以上の仲間 たちの喝采に、マクシィは満足していた。 たゆまなく続いていく自然の循環の中で、自分の存在が希薄に感じられがちだったのを、 仲間たちは頼りにし、また自分も頼って生きてきたことを、この詩に多少でも込められた のがうれしかった。 マクシィは、詩の題材を一緒に経験してくれた、仲間たちにこれ以上ない感謝の気持ちを 送った。 #
by gamvieno
| 2005-05-03 23:04
| 小説 『Freaks戦記』
2005年 05月 03日
「今のはお前が悪いんだろ。俺に任せておけばうまくやれたのに。」
「なに言ってんのよ。マサトがもたもたやってるから、私が止めを刺してあげたんでしょ。」 またか、という表情で仲間達はその言い争いを見守る。先程の戦闘の事について、 マサトとグラスアイがもめていた。オークの止めの刺し方で躊躇して、ずるずると無駄な 時間をかけてしまったのがお互いに気に入らないらしい。二人がこうなってしまうと、もはや 時間だけがその状態を修復しうる唯一の手段だと思えた。 仲間達も気にすることも無く、それぞれ武器をしまったり身支度を調えている。 「わからない奴だな。一度ギャフンと言わせてやろうか。」 「なによ、やるっての?」 二人は武器に手をかけた。これはいくらなんでも度が過ぎている。普段仲裁に入る ガンビーノとマクシィが中に割って入れないでいると、後ろから魔法詠唱の言葉が聞こえて きた。 「少し眠ってなさい。スリプル!」 「しばらく黙っててね。サイレス!」 次の瞬間、マサトの顔の周りに雲のようなものが発生したかと思うと、マサトはその場に 倒れこんで眠ってしまった。また、グラスアイは沈黙の魔法を受けて、声が出ずに口を パクパクさせている。 マサトが起きるまで、一時移動を中断してそこで休憩を取ることにした。グラスアイは、 バツが悪そうな顔をして、少し離れたところで座っている。残りの4人は、二人の様子を見て ふうっとため息をついた。 その後も何度か戦闘をしたが時間がかかってしまい、ジュノにはあまり近づくことができな かった。太陽も傾いてきていたので、6人は近くの古墳の入り口で野営をすることにした。 食事の時間も、二人は黙ったまま目を合わそうともしない。クーニャンが場を盛り上げ ようと、自分の失敗談を面白おかしくしゃべっても、二人はクスリともしなかった。 眠る間の火の番は、普段は各国の組毎でやるのだが、今日はマサトとガンビーノ、 グラスアイとマクシィが番に当たることにして、クーニャンとチックリィが組むことになった。 気温がぐっと下がってきた深夜、火の番をしていたマサトとガンビーノは、ただならぬ 気配を感じて緊張していた。先程から、どうもこの部屋に何かがいる。 咄嗟にマサトが部屋の隅に焚き火の明かりを投げると、そこに浮かび上がったのは 骸骨のモンスターだった。その姿を確認して、ガンビーノは仲間に声をかけて起こす。 残りの4人も、事態を把握するのに時間はかからなかった。武器を構えると、マサトと ガンビーノは骸骨に切りかかっていった。 クーニャンとチックリィが魔法を唱えるが、一向に決定的な隙が作れないでいた。 ガンビーノは、骸骨の攻撃を受け止めるので精一杯で、マサトの攻撃は決定打を与え られず、戦闘は困難を極めた。 ガンビーノが強烈な攻撃を受けて後ろに弾き飛ばされた瞬間、隣をすばやく走っていく 一つの影があった。 格闘武器に持ち替えたグラスアイは骸骨の後ろへ回り込むと、マサトに気が散っている 隙をついて骸骨に打撃を与えていった。不意の後ろからの攻撃に骸骨が怯んだ隙に、 マサトは脳天から斧を振り落とした。 一瞬にして勝負は決していた。武器を収め、お互いに軽く目を合わせた二人は、少し 微笑んでいた。 「まあ、これくらいはどうってことないな。」 「何度もこんな場面に出くわしているから、慣れちゃってるのよね。」 あっけに取られている4人を尻目に、再び寝る準備をするマサトとグラスアイ。火の番の 組み合わせを元に戻して、その夜は過ごすことになった。丸一日二人に振り回された 4人は、次の日も疲れが残っていた。 #
by gamvieno
| 2005-05-03 23:00
| 小説 『Freaks戦記』
2005年 05月 03日
太い腕に鋭い爪、獰猛な牙をむき出しにして虎は襲い掛かってくる。体に刻まれた無数の
から血が流れているが、全く痛みなど感じていないかの様に、目の前の人間達にその腕 から繰り出される重い一撃を加えんとしている。その形相は、見るものを震え上がらせる 程の力強さを持っている。 しかし、虎の攻撃も長くは続かなかった。マサトの攻撃が虎の首に命中し、断末魔の 叫びを残して虎は息絶えた。横たわった虎の死骸を見ながら息を整えると、近くに流れる 川へ移動し、武器や体に浴びた返り血を拭い、川の水で顔を洗う事でようやく一息つく ことができた。 ジャグナー森林は、バルクルム砂丘を抜けラテーヌ高原を西へ進んだ所にあり、一面 鬱蒼とした森で覆われている。一年の半分以上は雨が降っていて、肌にまとわりつく湿気と 背丈の高い草が、冒険者に不快感を与えていた。さらに、ジャグナー森林の南には、獣人 オークの拠点・ダボイがある。 ロンフォールの森とは違い、獣道を外れると全く人の手が入っていない原生林だ。 どこまでも同じ様な風景が続くため、迷って方向感覚を失えば、たちまち獣人や獣の 餌食となる。 今までとは全く違う熱帯雨林の気候に、仲間達は最初この場所に慣れるのにかなり 時間がかかった。 ガンビーノは川岸の岩に腰掛けると、左手に持っている盾を見つめた。セルビナで新しく 調達した盾は、これまでの幾度の戦闘で敵の攻撃を受けて変形し、返り血を洗い流す たびに色も変化している。一つ一つの傷を確かめるように指で触りながら、ガンビーノは その傷がどこで付いたものか思い出していた。 盾の扱い方も、ずいぶんうまくなってきたと自分でも思う。敵の次の攻撃を予測しては 受け流し、受け止め、時には打ち返して、それによって生まれた隙をついて攻撃する。 左手に盾が無いと落ち着かなくなってしまうほど、それはもはや体の一部とも呼べる代物と なっている。 一人では到底勝てない強敵も、仲間たちがいるおかげで倒すことができる。しかし、 その攻撃は6人に6等分されるわけも無く、誰かがその都度受けなければならないのは 当然だ。 ガンビーノは、敢えてその役を申し出た。そうした戦いが自分は根本的に好きだという のもあるが、一番大きな要因は、その役を買って出て攻撃を受け止めることで、仲間の 中に自分の存在意義を見つけられると思ったからだ。パーティの盾となり、自分を含め 仲間たちの命を預かっている事を、攻撃を受け止めた時の左手の痺れと共に実感できる。 戦闘を終えて振り返った時に、仲間達から笑顔を向けられると、また頑張ろうとその盾に 誓うのだ。 「よし、そろそろ出発しよう。」 ガンビーノは仲間たちにそう告げると、全員が準備できたのを確認して歩き始めた。 元居た獣道に戻ってしばらく進むと、今まで木々の葉で見えなかった空が段々と開けて、 光が差し込むようになって来た。いよいよ、このジャグナーの湿った気候ともお別れの ようだ。 光が強く当たる方へ進んでいくと、心地よい風が吹いて来る。小高い丘の上から見下ろす と、広大な丘陵が広がっていた。バタリア丘陵だ。 所々に点在する古墳の丘が、まるで海の大きなうねりのようにも見える。その風景は、 ラテーヌ高原に近い感じだ。何より、今まで苦しめられていた湿気で、十分に眠れない事を 心配しなくていい。 「ここを抜ければ、待ちに待ったジュノだ。やっと、ここまで来たな。」 仲間たちはそれぞれ、感慨も一入といった表情を見せていた。ガンビーノも、まだ見ぬ ジュノの町を想像して、興奮を抑えきれないでいた。お互いの顔を確認して、笑顔を見せ 合っている。 先を急ぐかのように、走って丘を降り始めた仲間たち。ガンビーノもそれに続く。 その左手には、勲章とも言える多くの傷が刻まれた盾が、誇らしく携えられていた。 #
by gamvieno
| 2005-05-03 22:55
| 小説 『Freaks戦記』
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